ビルクリーニング業の特定技能受け入れに!中小企業庁の価格交渉・転嫁支援ツール活用ガイド – アイセイソウ株式会社

ビルクリーニング業界において、深刻な人手不足を解消する鍵として「特定技能外国人」の受け入れが進んでいます。一方で、最低賃金の引き上げや物価高騰、さらには外国人材の採用・教育・支援に伴うコストの増加により、収益が圧迫されている事業者様も多いのではないでしょうか。

外国人材に適切な賃金を支払い、安心して働ける環境を継続的に整備するためには、取引先(発注者)に対してコスト増を適切に契約価格へ反映する「価格転嫁」が不可欠です。

本記事では、中小企業庁が提供する「価格交渉・転嫁の支援ツール」の概要と、ビルクリーニング事業者が特定技能外国人を受け入れる際の価格交渉での活用ポイントをわかりやすく解説します。

1. ビルクリーニング業で「価格転嫁」が急務とされる理由

ビルメンテナンス・清掃業界は原価に占める人件費率が高く、典型的な労働集約型産業です。特定技能外国人を受け入れる場合、日本人と同等以上の報酬を確保することに加え、以下のような固有の費用・管理コストが発生します。

  • 受入・支援コスト:ビザ申請費用、登録支援機関への委託費用など
  • 教育・研修コスト:業務上の専門用語や安全衛生に関する教育費用、日本語学習の支援費
  • 生活サポートコスト:住居の確保や行政手続きへの同行費用など

これらのコストや最低賃金の上昇分を自社で吸収し続けることには限界があります。価格交渉を行わずにいると、人件費の還元や教育体制の維持が困難になり、人材の流出やサービス品質の低下につながるリスクがあります。

2. 中小企業庁が提供する「価格交渉・転嫁の支援ツール」とは?

「発注者に値上げをお願いしたいが、根拠をどう示せばよいかわからない」「根強い据え置き慣行があり、切り出しにくい」とお悩みの事業者向けに、中小企業庁や関連機関は以下のような実践的ツールを提供しています。

① 価格転嫁検討ツール・原価計算シミュレーター(中小機構など)

取引先別・案件ごとの収支状況や、原材料費・労務費・エネルギーコストの上昇分を数値化・見える化できるツールです。感や経験に頼らず、「コストがどれだけ上昇したか」を客観的な数字(見積り根拠)として提示するのに役立ちます。

② 労務費の適切な転嫁のための価格交渉指針

内閣官房および公正取引委員会が取りまとめたガイドラインです。発注者と受注者の双方が講ずべき行動が示されており、特に労務費の上昇(最低賃金の改定や人件費アップ)を理由とした交渉の大きな後押しとなります。

③ 講習会・動画コンテンツや相談窓口

価格交渉のテクニックや成功事例を学べる動画、よろず支援拠点等による個別相談など、ノウハウ面でのサポート体制も整えられています。

3. ビルクリーニング事業者がツールを活用して交渉を進めるポイント

特定技能外国人の受け入れコストを含めた価格交渉を成功させるためには、以下のステップでアプローチすることが有効です。

  1. 原価・コストの可視化支援ツール等を活用し、従来の清掃業務にかかる「人件費」「資機材費」だけでなく、「安全管理費」や「特定技能受入・支援費」などの内訳を算出して明示します。
  2. 客観的なデータ・業界指針の提示単なる「自社都合の値上げ」ではなく、最低賃金の改定データや、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が定める「自主行動計画」、政府のガイドラインを根拠資料として提示します。これにより交渉の納得感が格段に高まります。
  3. 作業品質と定着化による価値の提案特定技能外国人の適切な教育・処遇改善を行うことが「清掃品質の維持・向上」や「人員の安定確保(現場の穴あけ防止)」につながり、結果的に発注者側にとってもメリットになることを伝えます。

まとめ:適正価格の実現で持続可能な店舗・ビル管理へ

特定技能外国人の適切な処遇確保と、自社の持続的な経営を両立させるためには、適正な契約価格の実現が欠かせません。

中小企業庁の「価格交渉・転嫁の支援ツール」を活用し、まずは自社のコスト構造の整理から始めてみてはいかがでしょうか。客観的な数値を武器に、定期的な価格見直しの協議を発注者へ働きかけていきましょう。