公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施した、ビルクリーニング業における「特定技能外国人」受入れ企業を対象とした価格交渉実施状況の調査結果について解説します。受入れコストや人件費の上昇に伴い、適正なサービス価格の確保に向けた各企業の取り組み現状が見えてきました。
価格交渉の実施状況と結果
受入れ企業の多くが、特定技能外国人の雇用に伴うコスト(支援費、教育研修費、渡航・住居手当等)や人件費の増加を背景に、発注者(施主)に対して価格交渉を実施しています。
- 交渉実施率: 受入れ企業の過半数以上が発注者に対して価格交渉を実施または検討中。
- 交渉の成果: 価格改定(値上げ)に応じてもらえた割合は一定数存在するものの、「一部のみ反映」や「据え置き」とされるケースも少なくありません。
- 未実施の理由: 「関係悪化への懸念」や「他社との競合リスク」を理由に、交渉自体を見送っている事業者も存在します。
発注者(施主)側の反応と傾向
価格改定に応じる発注者側からは、適正な労働環境の維持や人手不足解消に向けた一定の理解が見られます。一方で、コスト増加に対する具体的根拠の提示(エビデンスの明示)を求められるケースが増加傾向にあります。
今後の課題と対応策
特定技能外国人の継続的な雇用とサービス品質の向上を両立させるためには、以下の取り組みが重要となります。
- コスト構造の可視化: 支援費や法定福利費などの上昇分を明確にし、客観的なデータに基づいた交渉を行う。
- 業界全体の適正化: 協会や行政のガイドラインを活用し、単独企業だけでなく業界全体で適正取引の推進を図る。
