ビルクリーニング業界における特定技能外国人の採用・定着を進める上で、人件費(労務費)の動向把握は欠かせません。近年の著しい物価高や人手不足を背景に、最低賃金や標準的な給与水準は年々引き上げられており、特定技能外国人の報酬についても日本人と同等以上の適正な水準を維持することが法律で義務付けられています。
本記事では、労務費が上昇傾向にあることを客観的に示す主要な根拠資料と、受け入れ企業が押さえるべきポイントを解説します。
労務費上昇を示す主な根拠資料
- 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」 毎年改定される最低賃金は、労務費の底上げを示す最も直接的な指標です。近年は全国平均で過去最高の引き上げ額が更新され続けており、特定技能外国人の基本給設計に直結します。
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 ビル清掃員を含む職種別の平均賃金推移を確認できる公的データです。業界全体の平均基本給や賞与の推移を把握し、自社の給与体系が市場の水準と乖離していないかを検証する根拠となります。
- 国土交通省「公共工事設計労務単価」 建築・ビルメンテナンス関連の労務費指標として参照されるデータです。市場の実勢価格を反映して設定されるため、業界全体の人件費単価が上昇している強い根拠となります。
受け入れ企業に求められる労務費対応
特定技能制度では、外国人であることを理由とした不当な低賃金労働は認められず、「日本人と同等以上の報酬」を支払う必要があります。最低賃金や業界の賃金相場が上昇した場合、既存の外国人社員の基本給見直しや、契約更新時の給与改定をタイムリーに行うことが求められます。
公的データをもとに自社の労務費計画を定期的に更新し、法令遵守と人材の定着率向上を両立させましょう。
