【受入れ機関向け】特定技能の各国送出手続まとめ|二国間取決めのポイントと注意点 – アイセイソウ株式会社

特定技能制度を利用して外国人材を雇用する際、日本の入管手続き(在留資格認定証明書の交付申請など)だけに気を取られてはいけません。実は、相手国側で定められた独自の送出手続を正しく完了させないと、土壇場で来日が遅れたり、不法就労とみなされたりするリスクがあります。

本記事では、受入れ機関の視点から、主要な送り出し国の手続きの概要と共通の注意点を解説します。


特定技能における「二国間取決め」とは?

日本政府は、特定技能外国人の保護や不適切な仲介業者の排除を目的として、各送り出し国と**協力覚書(MOC)**を締結しています。これにより、国ごとに「送り出し機関の利用が必須か」「独自の審査サイトへの登録が必要か」といったルールが異なります。


主要各国の送出手続のポイント

国によって手続きの重さが大きく異なります。特にベトナム、フィリピン、インドネシアは頻出ですが、それぞれ独自のフローを持っています。

国名 送出手続の主な特徴 受入れ機関がすべきこと
ベトナム 推薦者リスト(推薦状)の取得が必須。 認定送出機関を通じて、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省(MOLISA)へ申請を行う。
フィリピン 独自のシステム「DMW(旧POEA)」への登録が必須。 フィリピンの送出機関と契約し、DMWにて求人登録や雇用契約の公証を受ける。
インドネシア 労働市場情報システム(Sisakot)への登録が必要。 システム上で求人登録を行い、オンラインで手続きを完結させる。
カンボジア 認定送出機関の利用が必須。 現地の認定送出機関と委託契約を結び、労働職業訓練省からの許可を得る。

受入れ機関が注意すべき3つの共通事項

1. 手続きの「順番」を確認する

日本の入管への申請に相手国での手続きが必要なケース(ベトナムなど)と、在留資格取得に手続きを行うケース(フィリピンなど)があります。この順番を間違えると、数ヶ月単位でスケジュールが後ろ倒しになる可能性があります。

2. 送出管理費(手数料)の発生

多くの国では、現地の送出機関(Sending Agency)を介することが義務付けられています。これに伴い、受入れ機関は送出機関に対して**「送出管理費」**を支払う必要があります。金額や支払い条件は国や機関によって異なるため、契約前に必ず見積もりを確認しましょう。

3. 二重契約の禁止

相手国側で独自の雇用契約書のフォーマットが指定されている場合があります。日本の入管に提出したものと内容に齟齬がないよう、翻訳内容や条件(賃金、労働時間、福利厚生)を慎重に照らし合わせる必要があります。


💡 実務のアドバイス

「自社だけで各国の最新ルールを追うのは限界がある」と感じる場合は、登録支援機関や、現地事情に明るい行政書士と連携するのが最も確実です。特にフィリピンのDMW手続きなどは、専門知識がないと書類の不備で何度も差し戻されるケースが珍しくありません。


特定技能制度は、日本の深刻な労働力不足を解消する強力なツールです。各国独自のルールを「ハードル」ではなく「適正な雇用のためのステップ」と捉え、計画的な採用を進めていきましょう。