特定技能制度で働く外国人の方々が増える一方で、残念ながら契約内容や給与の支払いに関するトラブルも後を絶ちません。「言葉の壁」や「制度への理解不足」を逆手に取った不当な扱いに対し、どのように身を守ればよいのか。
本記事では、よくある悩みの事例とその対処法、そして頼れる相談窓口について詳しく解説します。
よくある悩み1:給与・残業代の未払いと不当な控除
最も多い相談の一つが、お金に関する問題です。
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残業代が支払われない: 「特定技能は基本給が高いから残業代は出ない」と言われたというケースがありますが、これは明確な法律違反です。日本人と同様、法定時間を超えた労働には割増賃金が発生します。
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不明な控除(天引き): 家賃や光熱費として、相場より明らかに高い金額(例:月5万円以上の寮費で相部屋など)が給与から引かれているケースがあります。
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最低賃金以下: 地域の最低賃金、または同じ職場の日本人と同等以上の報酬でなければなりません。
よくある悩み2:契約内容の勝手な変更
入国前や面接時に合意した「雇用契約書」の内容が、現場で守られないケースです。
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職種が違う: 飲食業で採用されたのに、実際には清掃作業ばかりさせられるといった「分野外労働」は認められていません。
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労働時間の短縮: 会社都合でシフトを極端に減らされ、生活ができないほどの給与しか支払われない。
よくある悩み3:不当な解雇や帰国の強要
「仕事が遅いから明日から来なくていい」「文句を言うなら母国へ帰す」といった脅しは、パワーハラスメントに該当する可能性があります。特定技能外国人は、本人の意思に反して強制的に帰国させられることはありません。
トラブルに遭った時のチェックリスト
もし「おかしいな」と思ったら、以下の証拠を確保してください。
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雇用契約書・労働条件通知書: 最初に交わした約束を確認します。
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給与明細書: 何がいくら引かれているか、残業代が計算されているか。
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労働時間の記録: タイムカードのコピーや、自分でメモした出退勤時間。
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やり取りの記録: 上司とのメールやLINE、ボイスレコーダーの録音など。
一人で悩まず、ここへ相談してください
会社や登録支援機関が助けてくれない場合、以下の公的機関が無料で相談に乗ってくれます。
| 相談先 | 特徴 |
| 外国人技能実習機構 (OTIT) | 特定技能に関する母国語相談を受け付けています。 |
| 労働基準監督署 | 給与未払いなど、労働基準法違反について指導してくれます。 |
| 法務省 外国人人権相談窓口 | 差別や嫌がらせ、不当な扱いに関する相談が可能です。 |
| FRESC(外国人在留支援センター) | 複数の関係機関が集まっており、総合的な相談ができます。 |
ポイント: 特定技能には「転職」の自由が認められています。どうしても解決が難しい場合、適切な手続きを踏んで他の企業へ移ることも一つの選択肢です。
あなたの権利を守ることは、日本で安心して働き続けるための第一歩です。違和感を覚えたら、勇気を持って専門機関へ相談しましょう。
