【特定技能】「母国が遠い…」外国人が直面する距離の壁と、制度が生む“3つの悩み”への対策 – アイセイソウ株式会社

近年、日本の人手不足を支える柱として期待されている「特定技能」制度。しかし、日本で働く外国人労働者の中には、言葉や仕事の難しさだけでなく、「母国との距離」や「制度の縛り」に人知れず悩んでいる方が少なくありません。

本記事では、特定技能外国人が抱える母国との距離にまつわる悩みや、制度上のトラブルについて詳しく解説し、受け入れ企業がどのように寄り添うべきかをご紹介します。

特定技能外国人が抱える「母国との距離」に関する3つの悩み

① 気軽に帰国できない「心理的・経済的距離」

特定技能1号では、基本的に家族を日本に帯同することが認められていません。そのため、母国に配偶者や小さな子ども、年老いた両親を残して単身で来日しているケースがほとんどです。

  • 休暇の取りづらさ: シフトや業務の都合上、まとまった休暇が取りにくく、ホームシックが深刻化しやすい。

  • 渡航費用の負担: 給与の中から母国へ仕送りをした後、さらに高額な国際航空券代を捻出するのは簡単ではありません。

「家族に何かあってもすぐに駆けつけられない」という距離の壁は、彼らにとって大きな精神的ストレスとなっています。

② 「一時帰国」を巡る手続きと企業の理解不足

特定技能の制度上、外国人労働者が一時帰国を希望した場合、受け入れ企業は「必要な有給休暇を取得させること」および「出国・再入国に必要な手続き(みなし再入国許可など)を適切に行うこと」が義務付けられています。

しかし、現場では以下のような制度上のトラブルや誤解が生まれています。

  • 「繁忙期だから」と一時帰国を拒絶される

  • 手続きの手順が分からず、不法出国・不法在留のリスクを恐れて有給申請を躊躇してしまう

③ 技能実習から特定技能への移行による「期待と現実のギャップ」

技能実習生として3〜5年日本に滞在した後、特定技能へ移行する外国人が増えています。彼らは「特定技能になれば、もっと自由に母国と行き来できるのでは」と期待しがちです。 しかし、実際には仕事の責任が増し、有休が取りづらくなったり、帰国費用の自己負担が増えたり(技能実習時は企業負担の場合があるため)することで、「こんなはずではなかった」という不満に繋がることがあります。

トラブルを防ぐために受け入れ企業ができること

外国人労働者が孤立せず、安心して長く働ける環境を作るために、企業側は以下のケアを意識することが重要です。

  • 定期的な一時帰国ルールの明文化 「入社後〇年ごとに2週間の帰国期間を設ける」など、あらかじめ就業規則や運用のルールを決めておくことで、外国人スタッフも計画を立てやすくなります。

  • オンラインでの家族交流の推奨 時差や通信環境に配慮し、Wi-Fi環境の整った寮を用意するなど、日常的に母国の家族と顔を見て話せる環境をサポートします。

  • 相談窓口(登録支援機関)の積極的な活用 悩みがあっても企業には直接言えないケースが多いため、外部の登録支援機関と連携し、母国語でのメンタルケアや相談ができる体制を整えておきましょう。

まとめ

特定技能外国人の「母国との距離」に対する悩みは、単なる寂しさだけでなく、制度の理解不足や運用の難しさからくるトラブルと表裏一体です。

彼らを単なる「労働力」としてではなく、「遠い異国から覚悟を持って来てくれた一人人間」として尊重し、帰国や家族への想いに配慮したサポートを行うことが、結果として離職を防ぎ、社内のエンゲージメントを高めることに繋がります。